憧れの桜、間もなく桜の季節を迎える

桜並木、名所の公園・お城、遠出をするもよし、近所の桜を眺めるも良し、時間に追われる日本人が唯一ゆっくりお気に入りの場所で花を愛でる時を持つのではないでしょうか。日本人で良かった、この時期に日本に住んでいて良かったと心から思える時でもある。

ご縁を貰えず、未だ観られぬ憧れの桜がある。奈良県宇陀市の本郷の瀧桜 通称「又兵衛桜」。幹周3m、高さ13mで大きく枝を広げた枝垂れ桜 地元の武将・後藤又兵衛の伝説にちなみ命名されました。

桜の季節以外はとても静かな地域だが、この1本の桜を見るために大勢の方が朝早くから集います。樹齢300年の古木。写真を見る限り、凛として圧倒的な存在感。浮ついた気持ちで対面すると押し戻されてしまうのではないかと思う。

朝・昼・夜、日々の天気、それぞれに表情が違うのだろう。どんな表情に出逢えるのかは対面する人が持つパワーに比例するのか・・・いろいろ想い、巡らせ、感じる時間が楽しい。できれば満開になるまでの一連の流れを観てみたいとも思う。そして、散り際の美しさも眺めていたい。

「花は散っているのではない。解き放たれているのだ」

この大木から解き放たれた花びらのシャワーの中に立ってみたい。日々の心の塵が落ちていくのではないだろうか。どなたの言葉か忘れましたが、この言葉を聞いたときに大きく心が動いたことを覚えている。花が散る風情を「解き放たれている」と表現する。そんな風に受け止めることできる柔らかな感受性が欲しい。

そして決してわき役ではないが、周囲に植わっている桃の花の存在も大きい。ピンクと濃淡のコントラストがとても美しく、思わずカメラに収めたくなるが、できれば、対面時は桜の全体像を心のカメラで静かに収めたい。

写真に収めることに集中してしまうと、その時の空気感が薄まってしまうような気がするから、天邪鬼と思われるが仕方ない。写真を撮る事に集中する前にひと時の間、300年の時を経ている古木との対話を楽しみたい。

もう1点、憧れの桜。横山大観が描いた「夜桜」。

“ 横山大観が1930年にローマで開かれた「日本美術展覧会」のために描き下ろした傑作「夜桜」。この作品は、大観の親しい友人で、京都で活躍した冨田渓仙(けいせん)が、京都の円山公園のしだれ桜を描いた「祇園夜桜」から着想を得たとされる。 ローマで大々的に開催される「日本美術展覧会」で、日本の美の象徴として桜を描こうと決めた大観は、渓仙のかがり火に照らされる夜桜をモチーフに取り入れた。さらに、鮮やかな彩色の月や松を加えて余白を残さず、非常に濃密で装飾的な六曲一双、左右あわせて約7.5メートルの大作に仕上げた。”

2013年11月6日付朝日新聞朝刊「イベントAsahi」掲載から抜粋 https://www.asahi.com/event/AIC201311060022.html

横山大観の作品の中で「屈原」の次に好きな作品。「夜桜」に初めて出会った時、美しさに引き込まれ長い間その場を離れる事が出来なかった。そして「屈原」を観た時はブワッと風が吹き、「夜桜」の前では香った気がした。

出典:生誕150年 横山大観展|京都国立近代美術館 2018年6月8日(金)〜7月22日(日) http://taikan2018.exhn.jp

実際に満開の桜を前に桜の香りを感じる事ができるかどうか自信はないが・・・この作品のように篝火で夜桜を見物できることがあるなら、ぜひ観てみたい。

妖艶な桜の姿に言葉を失ってしまう気がする。桜が人々の心を魅了する一つの要因がここにあるのかもしれない。青空や富士山を背景にした時の桜、陽が落ちてライトアップされた桜、その時々で瞬時に表情を変化させる。自然が作り出す美・人が創り出す美。それぞれに美しくまた儚い。

桜の事を綴ってきたらまた別の「さくら」が頭をよぎる。「桜もち」これも忘れられない日本の心(?)。私が住む街は道明寺粉の「桜もち」が主流。塩漬けされた桜葉の香りと道明寺粉に包まれた餡がなんとも言えず美味。桜の時期に必ず頂きたくなるお菓子であり、和菓子屋さんに「さくら餅」と筆で書かれた字を見ると春が来たと感じる。洋菓子にも「さくら」や「春」を感じる物があるとは思うが、この時期は断然和菓子に魅かれる。

冷暖房完備の中での生活はとても便利であり、なくてはならないものになってしまっているが季節感は忘れずにいたい。季節ごとに花々が咲くように自身も春夏秋冬季節感をフワリと纏いたい。

AIには真似ができないだろう良い意味での曖昧さと質感。豊かな感受性はその人の感覚を研ぎ澄ます。奈良県宇陀市の瀧桜や横山大観の夜桜、これらの桜を観に行く時の服装は 靴は アクセサリーは・・・

時間を重ねた瀧桜や絵に寄り添える様なドレスアップ。日々雑多な時を過ごしてしまうからこそ身に纏う物にはこだわってみる。咲き始め・満開時・解き放たれる時、その時々の景色に溶け込む自分でありたい。皆様はどんなスタイルで 今年の桜と対面しますか。

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